
シンガポールおすすめ建物|Part 1
2013年02月 | デジタルリマスター版
マリーナ・ベイサンズ
2010年にOPENしたマリーナベイサンズはイスラエル生まれの今を時めく建築家:モシェ・サフディの設計によるシンガポールで最も有名な建築物です。
ホテル、高級ショッピングセンター、カジノからなる複合施設で、シンガポールの勢いそのままの賑わいを見せています。
57階建3棟の高層ビルの最上部を船の様な屋上庭園(有料)&プール(宿泊客のみ利用可)で連結された構造は、強烈な印象を与えるデザインですが、遡る事約3年、同じくシンガポール国内で建設された『リニア・コンドミニアム』(丹下アソシエイツ)のデザインととてもよく似ている・・・・?様に思えます。



アート・サイエンス・ミュージアム
2011年竣工のアートサイエンスミュージアムは、最先端のエコ建築であり、マリーナベイサンズと同じくモシェ・サフディの設計です。海の上に浮かぶハスの花をイメージしたという建物は独特な形状と異質なスケール感が印象的な建物です。
外壁は金属系のパネルのように見えますが、下面は全て目地処理して塗装されており、のっぺりとしています。
館内に展示されていたイメージスケッチは実際の建物と違い美しさを感じます。この建物の20年後、30年後の姿を思うと・・・・・少し悲しくなります。


ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
2012年6月にOPENしたガーデンズ・バイ・ザ・ベイはSFを彷彿とさせるスーパーツリーが立ち並ぶ3つの植物園と、合わせて2ヘクタールにもなる世界最大規模の2つの冷室ドームからなる巨大植物園施設です。
設計はグラント・アソシエイツ+ウィルキンソン・エア。
白く骨のように見える鉄骨フレームから吊り下げられる形で構成されるカーテンウォールは清掃できるのか不明。地震国日本でもこのような建物は建設できるのでしょうか?
屋外の植物園も広く雄大で楽しい施設ですが、今後の維持管理が気になる所です。総開発費は10億シンガポールドル、と何かの資料に書いてありました。




リフレクションズ・アット・ケッペルベイ
2011年OPENした巨大コンドミニアム。建物が湾曲して見えるのは決してレンズのゆがみではなく、建物が垂直ならざる曲面なのです。
設計はポーランドのスタジオ・ダニエル・リベスキンド。
シンガポールのマンションでは(中国や香港と同様)バルコニーが無い、或いは極めて小さいタワーマンションが多く、窓の開閉も写真のように排煙窓のような滑り出しです。
窓枠は非常に細く繊細ですが、建物全体が曲線で構成されているため上下階の関係がずれています。
建物上層部に設置されているブリッジはスカイガーデンだそうです。


エスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイ
DP ArchitectsとMichael Wilford & Partnersの設計、日本の五洋建設の施工により2002 年に完成したエスプラネード・シアターズ・オン・ザ・ベイは、冷房効率を上げる為に、屋根には直射日光を遮断するパネルが取り付けてあり、その建物の形状から「ドリアン」とも呼ばれている総合芸術文化施設です。
オペラ、バレエ、ミュージカル、等々各種公演が開催されています。
物珍しいだけの建物にならなければ良いのですが・・・・・・。


マリーナ・バラージ・ビジターセンター
水不足が懸念されるシンガポールでマリーナ・ベイを淡水化し、貯水池として活用すると共に市街地の洪水を防ぐダムとしても機能するマリーナ・バラージ・ビジターセンター。
施設が巨大で近づいては見れませんが、縁起の良い9の数字が2つ重なりあうデザインになっています。
貯水池は10,000ヘクタールの面積。屋上芝生広場では市民が凧揚げや散歩を楽しんでいます。
立地的な問題から基礎の一部で不同沈下による亀裂や浮きが見られました。
シンガポールのArchitects Team 3の設計で2008年に完成しました。


スクール・オブ・アーツ・シンガポール
Wong Mun Summ& Richard Hassellの設計で2008年に完成しました。
シンガポールではこのような壁面緑化の建物が多くみられます。
バックドロップおよびブランクのキャンバスと呼ばれる、2つの視覚的に接続している水平の層で構成され、正面玄関がオープンな空間になっており、階段から巨木が生えています。
上空を渡る廊下から吊り下げられたブランコ・・・オブジェです



シンガポール・フライヤー
2008年にOPENしたシンガポール・フライヤーは黒川紀章の設計で三菱商事・竹中工務店が施工した巨大観覧車です。
自転車の車輪と似て、フレームサークルから全て吊構造で構成されているためすっきりと美しく、28 人乗りのカプセル内では時期によって食事も楽しめるそうです。
ただしこのシンガポールフライヤーは構造的にも仕様的にも、ほぼデイヴィッド・マークスとジュリア・バーフィールドの設計で1999年ロンドンに完成した『ロンドン・アイ』と同じで、これを一回り大きくしたもの、と思われます。


ドービーゴート グリーン
シンガポールのSCDA Architectsにより設計され、2009年竣工の公共の円形劇場です。
通常はオープンスペースで若者がダンスの練習など行っています。
夜間にはアルミティンバーによって組まれたストラクチャーを下から照らし上げた光が回りまわって中央の客席まで到達し、幻想的な空間を演出するとの事です・・・・・できれば夜に見たかった施設です。


ラッフルズホテル
1887年開業のシンガポールを代表する高級ホテルであるラッフルズホテルは、マレーシアのKen Yeangの設計による英国統治時代の面影が残る建物です。
近代的で幾何学的な建物が多いシンガポールで、クラシカルな落ち着きを感じさせる建物です。
どうせならここに一泊したかった、と思ったホテルでした。


テマセック工科大学
ジェームズ・スターリング/マイケル・ウィルフォード+DP Architectsの設計によるテマセック工科大学はカラフナで南国風の色使いと、40mほどある無柱空間が特徴的です。
写真の場所は広大な工科大学のごく一部であるセンタープラザ部分です。
日曜日のせいか学生は殆ど居なかったものの、僅かに見た学生たちは皆熱心に勉強していたのが印象的でした。


ヴィヴォシティ
伊東 豊雄 + DP Architectsの設計で、2006年に五洋建設が施工した、シンガポール最大級のショッピングモールで、屋上にはかなり広い水盤があります。
店内は日本でも良く見るショッピングモールで、多くの買い物客で賑わっていました。
竣工後6年ほどで外壁の汚れとがかなり目立ちますが清掃は困難そうに見えました。


文章 | 飯島 知二